その顔が堪らない




口うるさくて、乱暴で。

ちょっとからかえば大地を揺るがす怒声が響き渡って。




黙ってりゃ綺麗な顔してるのに眉間に皺を寄せていては台無しで。




本当に、どうしようもなく物騒で。








でも






庵 「ったく、しかたねぇよな。」

嶺 「結局のところ、甘いよな、俺らも。」




そのくせ、急に見せるその顔が。




庵 「許しちまうよな、あの顔見ると。」

嶺 「卑怯だよな、ある意味」








真っ赤に燃える太陽みたいに弾けるその笑顔が、何より愛しくて。





その顔が、たまらない。







『その顔が堪らない』



リライト様からお借りした『物騒美人五題』より。
一周目輝原家の最愛娘桜華です。元気一杯の槍使いで、裏ジャケ剣士顔のやんちゃな薙刀士『庵(いおり)』と、下5左1のウェーブヘアの苦労人剣士『嶺(りょう)』とは幼馴染の仲良しトリオです。
いつも一緒につるんでて、馬鹿をしていた三人組で、よく当時の当主であり庵の姉の晄(あきら)にしょっちゅう怒られていた悪がきトリオでもあります。

桜華は6ヶ月年上の庵に淡い片思いこそしておりましたが、彼の交神を通じ諦めています。
彼らの間にあるのは純然たる『親愛』だったんですが、其処は末のお姫様、庵と嶺はなんだかんだ彼女をからかいながらも彼女を守り、大切にしています。
彼らはからかわれて顔を真っ赤にして怒る彼女も好きだけど、一番すきなのは何の裏もないまっすぐな笑顔、率直に弱いんです、彼女に、なんだかんだいって。
大切な妹、という立場かな?

とかなんとか語ってますが、彼女も死ぬほど物騒です。
討伐にでれば「前に出て攻撃・火の最強術・火の術(もしくは攻撃力上昇術)」な娘で、奥義も得意です。もうがんがん攻撃型。
んでもってめっちゃくちゃ短気です。さらにめちゃくちゃ落ち着きがありません。
さらに切れると殴ります。

しかし顔は綺麗なので、彼女も紛れもなく『物騒美人』ですね(笑)



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