失った代わりに得たもの



気の毒な娘だと、最初に思ったことはただそれだけ。
私を選んでもらえたのならば、私は子をなすというその仕事をこなすのみ。

そのはずだったのに。

娘の顔を見たとき、ただ純粋に力になってやりたいと思った。



私には、あいつの運命から救ってやることはできない。
子を授ける事が果たして彼女にとって幸せなのかも分からない。

けれども。
彼女が幸せそうに笑うならば。


せめて一時の安らぎを、共に共有しよう。







「焼津様、この子の名は梢と名づけようと思います、どう、ですか?」
「ああ、いい名前だ。のびのびとした暖かな生気を感じる名前だな。」
「本当ですか?焼津様にそういっていただけると嬉しいです!ほら、梢ってば焼津様にそっくり。」
「おやおや、私には薫の意思の強さをこの子にも感じるがな?」
「きっと、いい子になりますよ、ね?」





輝原家初代薫とその交神相手である焼津ノ若銛様です。ちゃんとした絵では初めての神様絵ですか?
12月になったら書きたいなと思っていた絵です。12月のトップ絵でした。……6か7代目(笑)

初代の最初の交神は、オープニング見る限り拾われた直後っぽいんですよね。12月に交神でご都合主義で1月に生まれれば4月にちょうど四ヶ月?でいい感じなのですが…
この交神時期に関してはどのサイト様でもかなり意見の分かれるところのようで、私も実は厳密には決めておりません。ただ、この輝原家は一周目のため、普通に12月にお輪さんたちがいなくなって神様に拾われた直後に交神してるのかなーって普通に思ってました。
だから、拾われてすぐ天界に連れて行かれ、そこで精神の部屋みたいなところに入り(まてぃ)体を成長、すぐ交神だったのかな、と思ってました。
なので、12月にこの絵をアップしたかったんですよー。
12月に初代である薫は親も帰る場所も、それこそ人生すらも奪われたけれども、代わりに梢というかけがえのない宝物を手に入れて。彼女は幸せを感じる天才みたいな子なので、死ぬときもまったく後悔を遺さず逝った子なのですが、その彼女の一番最初の『幸せ』がきっと焼津様と梢との穏やかな時間だったのかなと。

ちなみに恐らく私の一番の贔屓カプ(笑)
ちょいと焼津様がでかくなりすぎた感が否めませんが…気付かない方向性でお願いします(笑)
久しぶりの水彩で、割とイメージどおり描けて嬉しかった一枚です。大好きな二人を描けて幸せ。

20071205

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