◆ 荻凪仙人 メイキング

荻凪仙人こと秋竜っちゃんの肖像ができるまで。
使用ツールはpoo絵板(Oekaki BBS)のフルバージョン。
セル塗りベースのほんのり水彩風味(??)に仕上げるにはこんな感じが一番手っ取り早いんじゃないかな、と思う塗り方です。


 @ 線画

まずは猫野のデザインした氏神装束と睨めっこ。服の構造がよくわからない部分は彼女に電話して聞いておきました(笑)。それでもわからないところはフィーリングでGO。
バストアップで8人描くので、あまり単調になりすぎないよう、向きやポーズで変化をつけたいなと一応頭をひねりました(これでも)。


下書きは自由曲線、なぞるのには直線ツールをいつも使ってます。(短い直線を繋いでいく要領)
あとでバケツ塗りするために、線はきっちり繋いで描きます。
それと今回は、パーツごとに大雑把に線を色分けしておきます。肌+服の茶色っぽいところ服の赤っぽいところ、で3色に分割。こうすると黒一色で線を描くより少し華やかになる…と、これは以前よそのお絵かき記録から教わりました。

この線はこれ以降、色塗りが終わる直前までいじりません。



わかりやすく極端に色分けするとこんな感じ。

 A 下塗り



基本はセル塗りしかできないですので、バケツで塗り潰し。
各パーツ2〜3色でざくっと明暗をつけます。色合いはあとで調整するので、この段階ではあまりこだわらず。





ちなみにこの時、線画の3色にはマスクをかけてます。

念のため……
マスク(通常) : 指定した色を保護し、その上に描画できなくなる。
逆マスク(反転): 指定した色以外を保護し、指定色の上にしか描画できなくなる。

バケツ塗りが終わったら線画のマスクは解除。poo板のマスクは同時に5色までしか使えないので。

 B 着色



パーツごとに塗っていきます。だいたいは肌から、または面積の大きいところから順番に。今回はオレンジ色の布の部分から手をつけることにしました。

  Aのレイヤーをコピー →
  塗りたい部分の色(オレンジ3色)をマスク →
  消しゴム×ボックスフィルで他の色を消す

の手順で、服のオレンジ色だけが抽出されたレイヤーを上に作ります。
わかりやすく上のレイヤーだけ可視にしたのが左。(この後の作業は実際には下のレイヤーも可視にして行いますが)


マスクを解除して、透明部分の保護をオンにします。
これで今抜き出したオレンジの部分以外には色がつかなくなるので、はみ出す心配なしにがしがし塗れます。

ぼかしツール×ボックスフィルで一度全体を強めにぼかしてから、大きめのスプレーで陰影をつけていきます。もとのオレンジと同じような色を取り、光の当たっている部分はペンモードをスクリーンに、逆に陰の部分はペンモードを乗算にして色を置いていきます。A値は10〜50ぐらいの間で適当に調整。
覆い焼き・焼き込みをかけても似たような感じになると思いますが、私はどうもこっちは使いこなせないので(焼いていくうちに色味が意図しない方向に変わってしまう…)、個人的にペンモード変更スプレーのほうが重宝します。
ぼかす→スプレーでぐりぐり→ぼかす→……を繰り返して、だいたいそれらしくなったらこの工程はおしまい。まだ下のレイヤーと統合はしません。

 C 模様を入れる
    
カスタムブラシに活躍してもらい、服に模様を入れます。
新しいレイヤーを上に1枚作り、カスタムブラシのNo.2で適当に模様を散らします。(鉛筆でアンチエイリアスON、A値は少し下げました)
上下・左右反転ツールでごちゃごちゃっと掻き回すと、模様が細切れになる&よりランダムに散らばっていい感じ。

作った模様を、必要な部分だけ切り取り。
方法はいろいろありますが、Bのレイヤーを1枚コピーして一番上に持ってくる → そのすぐ下に青一色で塗り潰したレイヤーを作り(わかりやすく違う色なら何でもいいですが今回は青で)、この2枚を結合 → 青をマスクして消しゴム×ボックスフィルで、布の部分以外が塗り潰されたレイヤーができる → この青レイヤーの下に模様のレイヤーを持ってきて2枚を結合 → 青を逆マスクして消しゴム……が一番早いかな。
できたレイヤーを何枚かコピーして、不透明度を下げてレイヤーモードをいろいろいじります(もちろん布と主線のレイヤーも可視状態で)。乗算にしてみたりスクリーンにしてみたり加算にしてみたり。
通常モードより他のモードのほうが、下の布レイヤーの色・陰影が反映されるので。


ちまちま調整して気に入ったところで、これらの模様レイヤー全部を布レイヤーと結合。
(モードを変更している3枚以上のレイヤーをまとめる時は下のレイヤーから順に結合します。念のため)
結合後にまた全体の色味を調整して、こんな感じになりました。

で、この布の塗りはひとまず終了なので、これでいいや!と踏ん切りをつけてベースの主線レイヤーに統合してしまいましょう。
いや、踏ん切りつかなければまだしなくてもいいんだけど、それだとこの後パーツの数だけレイヤーが増えてけっこう鬱陶しいことになるんですな。

 ちなみにこのカスタムブラシというのはこういう柄入れに便利でして、他にもこの絵なんかではピンクの着物の柄にNo.0を使ってます。
 逆にそれ以外の使い方があんまり思いつかないけど……


 D 着色・以下同文
他のパーツも同様にBCの手順で塗っていきます。
途中保存する時は必ずPNG形式で。(完成直前には150kbとか結構な重さになってきますが気にしない)
ここに至っても、まだ主線は最初の3色ポッキリのまま残しておきます。万が一どこかを丸々塗り直したくなった時に、レイヤーコピーで線画抽出(3色にマスク→全体に消しゴム)して、やり直したいパーツだけAの段階からやり直せるから。

 E 仕上げ



最後に、@の段階から手をつけずに残してきた主線をいじります。
線画だけ抜き出したレイヤーを上に作って、透明部分の保護をON。光が当たる部分は明るく、影の部分は暗くしていきます。やり方はBと同様のスプレー。

ここまで来ればもうやり直しはききません。覚悟がついたら最後にJPG保存。
完成。


というわけで覚え書き兼メイキング終了です。(覚え書きって何)(自分でいつ忘れてもいいように☆)
最後までお付き合いありがとうございました。拙いながら何かの参考になればいいな…と思います。

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