俺屍2プレイ記録 氷渡逢良の血脈 その三 ※ 最初の百鬼祭りのネタバレを含みます |
初代・逢良 1119年12月 |
月が替わってすぐの雪の日、弓部様から注文してた弓が届いたよ!と、コーちんが朝一番に駆け込んできました。 こんな弓が届きましたよ! 暗めの背景色に溶け込んじゃってちょっと見づらいけど! 銘は、穹(そら)を走る、と書いて「走穹(そうきゅう)」。 あんまり凝った名前にするとセンスのなさが露呈する気がするので、名付けはなるべく短くシンプルイズベストでいく方針です。 もうちょい和名っぽい訓読みの名前も一生懸命考えたんですが思いつかなかった! でもこれで気に入ってます! 色は赤かー…! ちょっとうちの装束の色には合わないな!(笑) 錬也は「これ青か緑に巻き直しちゃダメか」と身も蓋もない提案。当の逢良は「まあまあせっかく作ってくれたんだし」と気にせずこのまま使う気なので、それならいいかと引っ込めたようですが。 さっそく弦の張りを確かめたり試し射ちしたりしながら手に馴染ませていると、コーちんから「逢良様、思いのほか似合うのスケ」と褒められました。うんうん、ありが…いや思いのほかって何だよ! 「俺これでも生き返る前から弓使いやってるんだぜコーちん」と苦笑する逢良でありました。 さて、今月はついに百鬼祭りとやらの開催月! 出撃前に携帯袋の中身やステータスを確かめます。そうだ、お地母は誰か覚えられたかな? 心の土あと25…。 うわぁこれさっき拾った心ノ耳飾り装備しとけば覚えて帰ってこられたんじゃないの? しくじった! お雫は巻物拾ってすらいないし、回復手段がこれではちょっと…いやかなり心許ないです。でも覚えられないものは仕方ないので、かわりに青葉ノ朝露を携帯袋にいっぱい詰めていきますよ。 そういや黄川人にはこないだ「出撃隊の体力200を目安に鍛えたらどう?」みたいなことを言われてて、一応そこは軽々クリアーしてるんでした。それを信じて行くしかないです。今から悩んだって術は覚えられないしな! 「走穹」を携え、いざ出陣。 いよいよ祭りの提灯に火が入った龍穴鯉のぼりへ。この間確認した神輿の場所まで急ぎます。 いやまあぶっちゃけ急がなくてもよかったんだけどね……祭り会場に突入したら強制スクロール状態でゆっくり戦う暇はないらしい、ってのは噂に聞いてプレイヤーは知ってたんですが、逢良たちはそんなの知らないから当然急ぐだろ! ってことで、速瀬でダッシュしました。 よーし到着。この間と違って神輿が宙に浮き、五芒星の魔法陣が真下に現れています。これが祭りの入り口か。 逢良 「…いかにもって感じだな。それじゃ行ってみるか。準備いい?」 錬也 「準備万端、いつでもいいぜ」 律哉 「うん」 そうして陣をくぐった、その途端。 中は異世界でした。 鳴り響く祭囃子、提灯が照らす薄闇の中を浮かれ踊る鬼たち。それも見たこともない数と種類! むこうからは巨大な山車? 朧車? が車輪のきしむ音を響かせながら石畳の上を進んできます。 すごい。こりゃ本当に祭りだ…。なんで鬼たちの間でこんなのが。 想像もしていなかった雰囲気に呑まれて兄弟三人、しばし呆然。 鬼のほうはテンション上がってわけわかんなくなってるのか、踊り狂いながら襲ってきます。 錬也 「何なんだオイ!!」 律哉 「何だって言われても…! 兄さんそっちからも来てる!」 逢良 「錬頼む! ほい武人」 錬也 「ったく…!」 ここの鬼たちは今まで遭った鬼より少々硬いみたいなので、逢良は錬也よりターンの周りが早ければ専ら武人を唱えてました。今月は買ったばっかの特注弓装備してて攻撃力下がってるしな。(言うなよ) 行く手を遮る鬼たちを片っ端から蹴散らしつつ、戦利品はがっつり集めました。初めて見るお宝がざくざく。 火祭り・水祭り・風祭り・土祭りと、この系統の術書は一気に四つとも集まりましたよさすが祭り会場…! そして、ほどなくして祭りの熱狂が途切れ─── 打って変わってひっそりとした、何やら空気の違う場所に出ました。 何だろうここは。…そして、あの奥の祭壇みたいなところで輝いてる杯らしきものはもしや。 そこへ、忽然と現れた貴族風の若い男がいました。その傍らには、なんだか不気味な鬼の面。 男は慇懃に挨拶をし、陰陽士の阿部晴明、と名乗りました。 帝に重用されながらもあまり表には出てこなかった人なのか、兄弟と面識はなかったようですが、忘れもしないその名前。人身御供の名のもとに一族を処刑に追い込んだ張本人! ここから晴明と鬼頭のターン。 御所から消えた祭具の一つがここにあり、盗んだのは他ならぬ晴明であること、 その責を一族に負わせた上、短命と種絶の呪いをかけたのも晴明だったことが明かされます。 えぇぇ何だこいつ…。完全に挑発しに来ている。 「憎い仇敵は目の前にいますよ。さあ、どうしましょうね?」 と、余裕たっぷりに微笑され、「よくわかった」と逢良が答えました。 自分たちが討つべき仇は晴明で間違いないのか、実は今の今まで逢良は判断しかねていました。 天界にもまだ真相がわかっていないらしいこの事件、そもそも晴明が首謀者ではない可能性もあったからです。一族が罪人同然に殺されたことは恨んで然るべきだったけれど、何しろ天災を鎮めるために生贄を捧げようという進言自体は、まるきりおかしな話でもなかったので。 でもその可能性もこれで消えた。 彼の目的が何なのかも、どうして逢良たちが蘇ってここへ来ることを見越していたかのように待ち構えていたのかも不明のままですが、一つだけはっきりしたわけです。 「やっぱりあんたが敵なんだな」 錬也と律哉が迷いもなく武器を構えるのには、その一言で充分でした。 スロットに祭具「雪見ノ礼杯」が揃って、戦闘開始! 開幕早々に真名姫の術が来ましたが、逢良は回避、錬也と律哉もダメージは軽微でしのぎます。 敵が一人なら、三兄弟で一番攻撃力が高いのは槍の律哉。錬也から武人をかけて、 そこそこのダメージ! あれ、これはもしかして 律哉にはそのまま攻撃に回ってもらい、兄二人もすかさず追撃します。 続いて晴明から芭蕉嵐の術をくらうも、逢良が即座に青葉ノ朝露で全回復。このままいけそうだ。 「押し切れ!」 ところがここで律哉が、おかしい、と動揺を見せました。 「もうとっくに致命傷になってるはず、手応えは何度もあったのに!」 攻撃は間違いなく当たっていて、そのたび血飛沫が散っているのに、避けようとする様子すらなく「あーぁ、退屈ですよ」と笑っている晴明。見えないところで回復術でも使っているのか。ならば一気に仕留めるまで! さらに武人を重ねがけして、 削りきった! と思った瞬間。 「焼身自殺なんてどうでしょう?」と術を唱えた晴明が、天から降らせた猛火になんと自ら包まれ、 兄弟の目の前であっという間に焼死。え、なんで自殺? 何が起きた!? 「うわ…」と思わず呻いたのは三人のうちの誰だったか。 炎の勢いは凄まじく、呑み込まれた晴明はどう見ても生きてはいないと思われました。 が。 残り火の燻る中、ゆらりと立ち上がり、灼けた声のまま「私の身体は少し変わっていましてね…」と話し始める晴明。 自分はどんな怪我をしようが瞬時に治る不死身の体、理由はわからないが決して死なないのだと。 だがその自分が死ななければ、一族にかけられた二つの呪いは解けない。 「不死身の私をどうやって殺しましょうね? よかったら相談に乗りますよ」 語る間にみるみる全身の火傷は癒え、すっかり無傷に戻った晴明は、嘲笑を残してまた忽然と姿を消しました。 なんてこった。 目の当たりにしたショッキングな光景と、突きつけられた宣告に、三人は呆然と佇んだまましばし動けず。 やがてずいぶん時間が経ってから、逢良が吐息と一緒に、「…ありゃ駄目だ」と呟いたのでした。 |
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